◆平成12年5月に福岡市で発生したインターネットによる猫虐殺中継事件は、動物の好きな人にとどまらず、良識ある多くの人たちに大きな衝撃を与えました。極めて残虐で社会的影響が大きいことから、マスコミ各社にも大きく報道され、それまで動物愛護運動や活動に縁のなかった人たちまで含んで、犯人の逮捕、起訴を要求する署名活動など草の根的な運動が全国的規模で広がりました。
 こげんたと名付けられた猫の虐殺事件は、その後も日本各地で多発する動物虐待の実態に目を向け、「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護法)の再改正を要望する運動にまで発展し、日本の愛護運動の歴史的原点とも言える事件となりました。
 私にとっても、この事件は生涯忘れることの出来ない悲しい思い出となり、今もこげんたちゃんのつぶらな瞳を瞼に浮かべる度に、新たな涙が頬を伝わります。
 サイト「Dear,こげんた」を立ち上げられたmimiさんとスタッフの手で、「Dear,こげんた」が書籍化され、7月15日ハート出版から発売されました。事件発生から犯人の逮捕・起訴・判決に至る経緯と、こげんたちゃんに寄せられたメールや掲示板の書き込み、イラストやエッセイなど、みなさんの熱い思いと願いが込められた素敵な書籍で、出版が待望されていたものです。著者のmimiさんは、人と動物が共生する優しい社会を築くため、「命の尊さを次世代に伝えるため、私たちに何が出来るのか?皆で考えていくきっかけとなれば─」と、出版を決意されたいきさつについて述べられています。本書の印税は、こげんたちゃん基金として、今後の活動の展開の助けに使われる予定です。子供から大人まで一人でも多くの人が本書を読まれ、こげんたちゃん事件について知っていただくよう願っています。「Dear,こげんた」出版の詳細はこちら